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ドル亡き後の世界(副島隆彦著) [書評]

リーマン・ブラザーズやメリルリンチの消滅を当て、経済予測に定評のある副島氏の最新刊です。ダウ平均はリーマンショック後から回復し10000ドルを超える水準に戻しましたが、これはまやかしで今後、米国株、米国債券、米国ドルの暴落が起こると前から変わらぬ主張をされています。

米国で5月に行われた金融検査(ストレステスト)では大手19行の資本不足が7.4兆円と試算されましたが、日本でかつて日長銀と日債銀の2行に投入された公的資金だけで9兆円になります。ストレステストの結果は桁が1桁、2桁違うというのはマーケットにいる人間はうすうす気が付いているのでしょう。政府の発表に嘘はないと政府発表のデータを信じて投資をしている方には「政府もグルで嘘をついている」という視点はないのでしょうか。

ウォール街の決算発表では持ち直しの傾向が見られるものの、個人消費は冷え込んでおり失業率は米国で10%を超える水準まで上がってきました。今後は住宅ローン、商業住宅ローンのデフォルトが頻繁に起こり、米国の金融機関は再び危機を迎えることでしょう。すでに地方では今年だけでも数十の銀行がアメリカでは潰れています。

隠されている簿外債務や、未決済の値段の付かないCDOなど表に出れば困るものがまだまだあります。いつまで隠し続けることができるのでしょうか。景気は底を打ったと宣言して新たなカモから金を巻き上げるような行為を繰り返している金融市場には気をつけたいと思います。

今後、日米で見られるのが長期金利の上昇でしょう。つまり国債の暴落が起きるかもしれません。今までは個人投資家が国債のショート(売り)から入る取引はできませんでしたが、CFDという取引の誕生で日米の国債のショートができるようになりました。金利の上昇が近いと感じている方はCFD口座を開き、少し触ってみてはいかがでしょうか。最近はSBI証券や大和証券が参入し、楽天証券も近く取り扱いを始めるようです。

ドル亡き後の世界

ドル亡き後の世界

  • 作者: 副島 隆彦
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/10/30
  • メディア: 単行本



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