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AI VS. 教科書が読めない子どもたち【新井紀子著】 [書評]

出版されてもう1年経つ本書ですが、先日、ようやく手に取って読みました。

著者の新井氏は数学者であり、AIの仕組みに精通しています。著者の結論はSFに見られるようなAIやロボットが人間を超えるシンギュラリティは起こりようがないというものです。

確かにコンピュターは人間がプログラミングした以上のことはできませんし、流行りのディープラーニングにしても人間が入力したロジック上で動くものだと思います。

一方で先日、NHKのクローズアップ現在+で放送された故スティーヴン・ホーキング博士や今日の読売新聞の記事での江崎玲於奈氏などは、いずれシンギュラリティが起きて人類に悪影響が起きるかもしれないとAI脅威論を展開しています。

本書ではAIの仕組みをわかりやすく説明して脅威論は考え過ぎだと納得させてくれます。

もっとも予想外の技術革新が今後、起きることも可能性としてはありますが、映画「2001年宇宙の旅」に出てくるような感情を持ったコンピュターの登場は私の生きているうちにはないだろうと感じました。

さて著者はMARCHレベルの大学入試を解けるAIの開発に成功しているのですが、最近の若者だけでなく大人までもが文章を正確に読めていないと指摘しています。

ロジック通りの作業をする仕事ではいずれRPAなどの代替されてしまうでしょう。

問題はAIで仕事を失った人が別の仕事につけるかということです。AIを操作する側に周るとしてもかなりの再教育が必要になるだろうし、すべての失業者をIT分野で吸収はできないはずです。

将来は労働人口の推移とともに低失業率、高求人倍率は続くと思われます。別に安倍さんが総理を降りたとしてもこの傾向は変わりません。

しかし、高求人倍率の実態は仕事内容と求人者のミスマッチが起きており、一方で高度な能力を必要としない仕事は外国人労働者に奪われるという現象が今後も続くものと考えます。

ちなみに私が著者の新井氏と本書を知った理由は、先に新井氏と投資銀行家のぐっちー氏の対談本を読んだからです。こちらの本もお勧めです。


AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: Kindle版



日本を殺すのは、誰よ!

日本を殺すのは、誰よ!

  • 作者: 新井 紀子
  • 出版社/メーカー: 東邦出版
  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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