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アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した【ジェームズ・ブラッドワース著】 [書評]

以前、日本でもユニクロの店舗に採用されて潜入取材を行い週刊誌にその実情を書いたジャーナリストがいました。

本書は雇用の規制緩和や移民の流入も進んでいる英国での潜入取材の記録です。

筆者はアマゾンの倉庫や訪問介護、保険会社のコールセンター、ウーバーの運転手を実際に経験して、それぞれの職場で出会った仲間達の実情を書き、現在の英国社会の表裏を見せてくれます。

雇用規制の緩和や外国人労働者の増加など、まるで将来の日本を見ているような感覚を読んでいて感じました。

ただ上記の仕事のうち訪問介護以外は将来的には一層の合理化が進んで労働者が減少する業界でもあります。

英国は日本では想像できないほどの階級社会で、欧州に比べるとまだ日本はやる気のある人にはチャンスが転がっていると思います。

「いや、そんなことはない」と否定する方もおられるでしょうが、英国の階級社会に比べれば日本はまだ恵まれています。

英国は金融サービスが伸びて経済が復活したと言われていますが、現状は階級社会が一層、強化され二極化がどんどん進んでいるなと本書を読んで感じました。

日本ではアマゾンの倉庫はロボットへの切り替えが進み、本書に出てくる英国のアマゾン倉庫のように1日に15kmほど歩くことは今はないのかもしれません。

今後、テクノロジーの進歩で人手がいらなくなってくると社会はどうなるのか不安があります。一部の成功者とその他の二極化が進み、荒んだ社会になっていくのはなんとなくわかります。

日本の将来を予測する上でも本書での英国の実例は参考になると思います。


アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場~

アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場~

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/03/30
  • メディア: Kindle版



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