世界経済入門【野口悠紀雄著】 [書評]
昨年、出版された日本経済入門の姉妹版という位置づけのようです。
日本国内で生活していては、なかなか実感できない世界経済の現在の流れを知ることができます。
残念ながら日本にとって暗い話題ばかりが書かれています。しかし、それが現在の世界経済の現実だとも言えます。
本書に「リープ・フロッグ」という単語が何度か登場します。カエルが飛ぶように後進国が最新技術を活用して一気に先進国に追いつき追い越していく意味らしいのですが、現在の世界経済ではこのリープ・フロッグが到るところで起きていると感じます。
日本の高齢者は中国と言うと安かろう悪かろうの製品を作っているという古いイメージを持っているかもしれませんが、アリババ、バイドゥ、テンセントのような最先端企業も存在しますし、技術的にも日本を既に越えている企業も存在します。
またアフリカでは固定電話網は発達していない代わりに携帯電話が急速に広まっており、日本以上にキャッシュレス化が進んでいる国もあります。分野によっては日本がアフリカに負けているのです。まさにリープ・フロッグです。
日本の技術力は高いと言われています。iPhoneの部品の多くは日本製で米国で企画・設計して日本の部品を用いて中国で組み立てているのが現状です。
ただ、いつまでも日本の技術力が世界で通用するかは不透明で、他国の追いついてくるスピードは目に見張るものがあります。
野口教授は先進国は製造業を卒業して金融やIT産業に移行すべきだと出版されている自書で何度も繰り返しています。
ただ金融やIT産業は期待されているよりも多くの雇用者を産まない産業でもあります。
確かに米英は金融やIT産業が国を引っ張っていますが、格差が急拡大しています。そのような問題にどのような対策が出てくるのかが注目されます。
暗い話題が多い日本ですが、日本こそ最新技術を活用して再びリープ・フロッグを引き起こして世界経済の先端に飛び出てもらいたいと願っています。
日本国内で生活していては、なかなか実感できない世界経済の現在の流れを知ることができます。
残念ながら日本にとって暗い話題ばかりが書かれています。しかし、それが現在の世界経済の現実だとも言えます。
本書に「リープ・フロッグ」という単語が何度か登場します。カエルが飛ぶように後進国が最新技術を活用して一気に先進国に追いつき追い越していく意味らしいのですが、現在の世界経済ではこのリープ・フロッグが到るところで起きていると感じます。
日本の高齢者は中国と言うと安かろう悪かろうの製品を作っているという古いイメージを持っているかもしれませんが、アリババ、バイドゥ、テンセントのような最先端企業も存在しますし、技術的にも日本を既に越えている企業も存在します。
またアフリカでは固定電話網は発達していない代わりに携帯電話が急速に広まっており、日本以上にキャッシュレス化が進んでいる国もあります。分野によっては日本がアフリカに負けているのです。まさにリープ・フロッグです。
日本の技術力は高いと言われています。iPhoneの部品の多くは日本製で米国で企画・設計して日本の部品を用いて中国で組み立てているのが現状です。
ただ、いつまでも日本の技術力が世界で通用するかは不透明で、他国の追いついてくるスピードは目に見張るものがあります。
野口教授は先進国は製造業を卒業して金融やIT産業に移行すべきだと出版されている自書で何度も繰り返しています。
ただ金融やIT産業は期待されているよりも多くの雇用者を産まない産業でもあります。
確かに米英は金融やIT産業が国を引っ張っていますが、格差が急拡大しています。そのような問題にどのような対策が出てくるのかが注目されます。
暗い話題が多い日本ですが、日本こそ最新技術を活用して再びリープ・フロッグを引き起こして世界経済の先端に飛び出てもらいたいと願っています。