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平成はなぜ失敗したのか【野口悠紀雄著】 [書評]

来年80歳を迎える野口悠紀雄氏の最新刊です。

内容ですが、正直、今までの野口氏の著書を読んできた方にとっては、物足りないと感じるかもしれません。

全体的に今までの野口氏の分析を難しい経済用語を使わずにわかりやすく浅くまとめた本だと思います。

従って普段は野口氏の本は読まないが、平成がどういう時代だったのかを知りたいという方には適していると思います。

いつもの野口氏の著書と比較すると本書は野口氏の個人的な内容も含まれています。思い出話を語るのも来年80歳を迎えるのだから当然かもしれません。

野口氏は「円安が日本の改革を先延ばしにしてきた。今後は米国のように金融やIT産業で日本も食えるようにしよう。また中国の発展はすさまじい。」と言った内容の主張をされます。

野口氏はスタンフォード大学で教えていた経験から若い日本人の内向き志向を危惧されています。

確かに今や米国の有名大学のアジア人は中国や韓国の学生が主流で日本の学生は減少傾向にあるようです。

今後、日本では社会保障費の増加による一層の財政悪化に加え、安倍総理が将来、退陣した後の日本銀行の政策の後始末など難題が構えています。

本当に金利が将来、上がるようなことになったら変動金利で住宅ローン組んでいる方や、それ以前に国家予算の作成がどうなってしまうのか恐怖を感じます。

野口氏は本書で「まだまだ長生きするぞ」と宣言していますが、是非とも今後も鋭い分析で定期的に本の発行や雑誌の寄稿を続けて欲しいです。


平成はなぜ失敗したのか 「失われた30年」の分析 (幻冬舎単行本)

平成はなぜ失敗したのか 「失われた30年」の分析 (幻冬舎単行本)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: Kindle版



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