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リープフロッグ【野口悠紀雄著】 [書評]

リープフロッグとは後発者が最新のテクノロジーを駆使して先駆者を飛び越して前に出ることです。カエルがジャンプするイメージです。

現在はアメリカが世界の覇権国ですが、世界の歴史を振り返ると最新の技術をうまく活用した国が覇権を握り、そしてその国が次々と変わって行きました。

一度、覇権を握るとその社会システムに逆に足を引っ張られてしまいます。既得権益層が新たな新技術の導入に反対するからです。

一方、制度やシステム的にしがらみのない国は最新の技術を活用して一気にリープフロッグして先進国を追い抜くこともあり得ます。

ご存知の方も多いと思いますが、ケニアなどのアフリカ諸国の一部では日本よりスマホを介した電子決済が進んでいます。

アフリカでは電話の固定回線網や銀行の決済システムが発達していなかったため逆に現在の最新技術を無理なく導入できたためです。

また、現在の日本は決して明治維新後のリープフロッグが作ったというよりキャッチアップという言葉の方が近いと著者は書いています。

米国に追いつけ追い越せの精神で来たものの今となっては既存のシステム、法律、制度が邪魔をして他国に比べて新技術の導入が遅れてしまっている印象を受けます。

中国も通信や決済のインフラが整っていなかったことを逆手に取ってリープフロッグして米国を追い抜こうとしています。

日本が米中に遅れを取らずかつ、今後も先進国として国を維持するためには現在の日本にリープフロッグが必要です。

戦後のキャッチアップではなくリープフロッグを実現するためには痛みを伴う改革が避けられません。それができなければ日本は沈みゆくのみです。

また著者は個人間でもリープフロッグは起こり得ると言います。確かに最新技術を駆使した方は今後も仕事を得られるし、今後は現在、存在していない仕事が急増することでしょう。

そのためにも個々人の日々の自己啓発が必要であり、国もリカレント教育の推進を通して日本人が常に学び続ける仕組みや環境を作るできです。

個々人の努力の結果が最終的には日本のリープフロッグを生み出し、再び世界のトップクラスの国に返り咲くことを祈っています。


リープフロッグ 逆転勝ちの経済学 (文春新書)

リープフロッグ 逆転勝ちの経済学 (文春新書)

  • 作者: 野口 悠紀雄
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/12/17
  • メディア: Kindle版



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Kindle Unlimitedキャンペーン2ヶ月で99円 [日常]

Kindle Unlimitedのキャンペーンが今日までとなっています。2ヶ月で99円です。ただし、そのままにしておくと通常料金が自動的に課金されることになります。

継続しない場合には2ヶ月経つ前に解約手続きが必要ですから解約前提で試してみたい方はカレンダーにメモしておくことをお勧めします。

以前もKindle Unlimitedキャンペーンはありましたが、一度、キャンペーンに参加した方は対象外になっていました。

今回は「過去1年」キャンペーンに参加していない人は参加可能とのことですので数年前にキャンペーンに参加した方はまた低価格で2ヶ月お試しできることになります。

もっとも2ヶ月99円でお試し参加しても結局は読める本の数は数冊あるかないかだと思います。時間は限られていますし2ヶ月なんてあっという間に過ぎ去ります。

今、対象書籍のラインナップを見たところ以前よりかなり充実しているようです。私は2ヶ月後に継続するかどうかラインナップの動向を確認しながら考えたいと思います。

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2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ【ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー】 [書評]

先日、紹介した成毛眞氏著書「2040年の未来予測」の1章に登場する「テクノロジーによる将来」をより掘り下げた内容の本が本書になります。

私は今年でアラフィフですが、本書に記述されている内容をイメージすると本当にそんなことが10年、20年後に起きるのかなと疑問を持ちます。

一方でここ20年のテクノロジー変化を振り返り、かつ、その進化する速度を考慮すると本書にある未来予想はありえない話ではないとも思います。

テクノロジーが進歩し社会のシステムが変わるのは間違いないとして懸念する材料もあります。それはすべての国民がそのテクノロジーの進展による変化に対応できるかわからない点です。

アフリカ諸国がリープフロッグ現象で一気に先進国並みの社会システムを手に入れて一層、発展する一方で日本では高齢化が進み現状維持に固執する方も多いはずです。

政治的に声が大きく影響力のある現状維持志向の高齢者が発想を変えてくれないと、日本は世界からどんどん取り残される危険性があります。

高齢者以外にも様々な方の意見が日本では自由に飛び交っています。民主主義国家として当然のことです。ただ、コロナワクチンは危険だと主張する候補者が選挙に立候補したり、管理社会への恐怖からマイナンバーカードの作成やそれ以前にマイナンバーカード制度自体に反対する人がいたりもします。

先日、コロナ対策に従わない飲食店に東京都が法に沿って「命令」を出しましたが、マイナンバー制度一つを取っても「マイナンバーカード作成は任意」なんて呑気なことをいつまでも言っているとどんどん世界から取り残される気がします。

その点、強いリーダーシップの下、自由はないが最新のテクノロジーをどんどん社会に導入している中国のほうが民主主義国家日本より技術的に勝っているのは皮肉なものです。

恐らく、テクノロジーの進展に付いていけない方が一部で存在してしまうことは、日本だけでなく他の先進国、途上国含めてどこでも起きることなのでしょう。

その結果、アルファベットのKのように金銭的な格差だけでなく生活様式まで格差が大きく開いていくことでしょう。

と、偉そうに現状維持派の方に否定的なことを書いている私ですが、実は私自身が時代から遅れています。タブレット端末は保有しているもののスマホは持たず未だにガラケーです。

ガラケーのため今、色々と話題のLINEやFacebookも未加入です。(PCでもできるようですが。)

バーチャルな世界まで人間関係のストレスで悩みたくありませんし、現状、SNS使用無しで生活に不自由ないのでこのままでも良いかと思っています。

そうです。現状維持派は私のことなんだと思います。(マイナンバーカードは既に作成していますが。)

ただ、ガラケー保有で時代に遅れている一方で本書のような未来予測の本を読んでいる点では必死に時代に付いていこうという意思があるのだと自分では思います。

そんなガラケー使いにもここ数年はスマホ保有でないと厳しい社会になりつつあります。この辺でいい加減、ガラケーは潮時で今年は私もスマホデビューになるのでしょう。

このようにやんわりと時代に付いていけないと生活できないような仕組みを作って国民を誘導する政策や雰囲気が求められるのかもしれませんね。


2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング)

2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング)

  • 出版社/メーカー: ニューズピックス
  • 発売日: 2020/12/22
  • メディア: Kindle版



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2040年の未来予測【成毛眞著】 [書評]

ここ数年、どんどん時代が進むスピードが早まっているような感覚があります。

そのようなテクノロジーの加速する進展に付いていくのがきつくなった人、将来の日本の医療年金制度などへの不安から将来を悲観的に感じている人が増えていると思います。

本書は大きく4パートから構成されています。「テクノロジーの将来」「将来の年金、税金、医療費」「将来の衣食住」「将来の天災リスク」についてです。

将来に対して何となく不安を感じている人は、自分が何に対して不安を感じているのか本書を読むことで明確になると思います。

目をつぶりたい将来的に起こり得る出来事が次々と本書に出てきますから、正直、読んでいて気分が沈む人もいるかもしれません。しかし、これが将来起こり得る現実です。

日本マイクロソフトの元社長である著者はテクノロジーの進展が将来の困難を解決してくれることに大きな期待を持っています。

確かにテクノロジーの急速に進む進化は今ある問題を一気に解決してしまう可能性を秘めています。

ただ私が気になったのは最終章の天災リスクについてです。

テクノロジーが地震予知を可能にする時代が来るのでしょうか。仮にその時代が来る前に残念ながら先に首都直下型地震、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高いです。

首都直下型地震、南海トラフ巨大地震、それに加え仮に富士山噴火でも起きようものなら日本経済は壊滅的な打撃を受けるはずです。

その結果、待っているのは国家破綻を避け、かつ、復興に向けての大増税です。安倍前総理は前回の消費税引き上げの際に「今後10年は再引き上げの必要はない」との趣旨の発言をしましたが、仮に上記にあげた天災が起きたら消費税含めて大増税はせざるを得ないはずです。

テクノロジーの進展とともに世界はどんどん先に進むでしょうが、日本は天災リスクというアキレス腱を持っています。

もっとも私は上記の天災が起きても日本は10年単位で見ると立ち直ると楽観的に考えているのですが考えが甘いでしょうか。国家破綻ぎりぎりまで行くかもしれませんが日本という国は残るはずです。天災で多くの犠牲者が出るのは残念なことであり私がその一人になる可能性もゼロではないのですが、日本が天災後の困難を乗り越えて行くことを願っています。

上記の天災は既に来る来ないの話ではなく「いつ来るか」という確実に起きる段階に来ています。コロナで右往左往した政府がその時が来たらどうなるのか少し心配な面もあります。


2040年の未来予測

2040年の未来予測

  • 作者: 成毛 眞
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2021/01/01
  • メディア: Kindle版



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マイクロソフトアカウントに不正ログインされる [日常]

最近はAmazonやカード会社を始め様々な企業になりすましたスパムメールが多く届きます。長年の勘でスパムメールはほぼ見抜けるようになりました。

ただ、先日、マイクロソフトからメールが来ていました。またスパムかと思いましたがマイクロソフトのスパムメールは経験がないため開封。そうするとインドのムンバイ周辺からマイクロソフトアカウントに不正ログインされたとの連絡メールでした。

そう言えばマイクロソフトアカウントに使用していたパスワードは使い回している古いもので以前、Google Chromeのブラウザで「このパスワードは漏れている可能性があります。」と警告が出たこともありました。

そこで早速、マイクロソフトアカウントのパスワードを変更しました。今の所、実害はないのですが、OneDriveにファイルを置いていなかったからかもしれません。

続いてルーターとGoogleのアカウントのパスワードも少し複雑なものについでに変更しました。

クラウドという仕組みに情報漏れのリスクを感じる人は多いと思います。ただ一番、危ないのはパスワードを突破されることでしょう。この点に気をつければクラウドは便利な仕組みです。

色々なサービスごとにパスワードを複雑にして変更したので慣れるまで時間がかかりそうです。

パスワードの数を絞り色々なサイトで使い回している方も多いと思います。ただ慣れるまで大変ですがサービスごとにパスワードは替えておくことをお勧めします。

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新人研修という言い訳の飛び込みリテール営業 [日常]

生命保険会社の生保レディ2人組が訪れてきました。マスク姿の若い女性の話を聞くとアンケートに答えることで抽選で景品が当たるようなことを言っておりアンケートの協力をお願いしたいとのこと。

「保険に入る金銭的、余裕がない」と言って断りましたが、その際の付き添いにいた年配の女性が言った一言に違和感を覚えました。

確か、「(説明をしている女性が)新人なので協力していただけませんか」と言った内容のことを言いました。

新人研修という名の下で飛び込み営業もどきのことをしても費用対効果は薄いということを大手生命保険会社の上層部はわからないのでしょうか。

きつい言い方をしますが、なぜそちらの新人研修に付き合わなければならないのか私にはわかりません。

コロナ禍の中、生保レディが雇用の受け皿として機能していることはわかります。雇用統計の計算方法を知っている方はおわかりでしょうが、月末に発表される失業率などの統計と現実の雇用状況はまるで違います。

生保レディとして家計を支えたいという気持ちは理解できます。ただ正直、対面の金融リテール営業は若い世代にとっては時代に合わないのではないでしょうか。若い世代と言っても私もアラフィフです。

ソニー生命のようにWEBを活用したコンサル営業を展開している会社もあります。新聞を購読している方はご存知でしょうが高齢者をターゲットにしたダイレクト型保険の広告だらけです。

今後、生命保険業界はプルデンシャル生命のような顧客の紹介で次の顧客を見つけるケース、ソニー生命のようなWEBでのコンサルを活用した新形態、新聞やテレビCM、WEB広告などの媒体を使用したダイレクト型に分かれると思います。

既存の大手生命保険会社の生保レディを動員した営業方法は時代に合わず中途半端です。

アンケートのお願いに来た新人生保レディには申し訳ないと思いつつ、あえて心を鬼にして断りました。

ちなみに私は生命保険には加入しておりません。代わりに加入しているのは県民共済です。

小さなお子さんがいらっしゃる家庭では掛け捨ての定期保険や逓減型の保険を利用する価値はあると思いますが、基本的に医療保険、がん保険も含めて入り過ぎの家庭も多いのではないでしょうか。

私は損害保険(火災保険、任意自動車保険、個人賠償責任保険)などは重要だと思っていますが、生命保険に関しては厳しい見方をしています。

大手生命保険会社の生保レディの大量採用、大量離職の繰り返しを今後も続けるのなら少しやり方を変えることも必要だと感じます。

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利息13円税金1円で12円のプラス [日常]

昨夏に完済したローンを借り入れる際に付き合いで積立していた定期積金の満期が来たので信金に行ってきました。

毎月2万円の積立で12ヶ月で24万円。それに対し利息が13円で1円の税金が引かれ残った利息は12円という内容でした。

改めてマイナス金利を含めた低金利政策が金融機関に与えている影響について実感しました。

運用難の金融機関にとって預け入れはこれ以上、逆に困る一方で新たな貸出先もそう簡単には見つからず難しい経営をしていると思われます。

一方で新型コロナウイルスの蔓延により国から無利子無担保の融資を含め返済される可能性の薄い融資や条件変更をするように金融機関は通達を受けています。

無利子無担保とはいえ信用保証協会が保証するのでしょうから金融機関としては国の通達に従うのみです。もっともどう考えても返済される可能性のない融資先への融資は見送っているのかもしれません。

3月末に行き詰まる企業が大企業含めて多発すると言われてきましたが、今のところは金融機関の柔軟な対応によって救われているようです。もしかしたら「廃業」という形でひっそりと幕を下ろしているケースが多く「倒産」が目立たない可能性もあります。

数年後には利息だけでなく元本の返済も始まるわけで、その時になってまた大騒ぎが起きるのでしょう。

一部とはいえ受けた融資を投資に回している企業もあると聞きます。今のように相場が好調ならまだしも逆回転を始めたらどう返済するのか見ものです。

今日で東日本大震災から10年が経過しました。2037年まで個人には復興特別所得税が加算されることになっています。

結局、今回のコロナ騒動が落ち着いたら間違いなく訪れるのが増税でしょう。恐らく復興特別所得税のように現役世代を狙い撃ちにするような方法を取るだろうと推測されます。

高齢者も含め幅広く負担を分かち合う消費税増税が実現できるとは思えません。

中小零細企業や個人事業主を守るための融資や補助金は必要だと思いますが、コロナ後に返済できる見込みがないのなら延命にすぎません。それを望まない経営者が多いのと後継者不足などが要因で廃業が増えているのでしょう。

今後、訪れるコロナ増税だけでなく、仮に首都直下型地震、東南海地震が起きた場合は日本は予想もつかないような大増税をせざるを得なくなるはずです。

そのような予測が立つ中、将来不安から消費を控えて資産を貯める行動を取ることで結果的に消費が一層、落ち込むことになります。困ったものです。


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10万円再給付の平等性 [日常]

生活困窮者に限定して1人10万円を再給付する案が与野党それぞれで浮かんできました。

野党の案によると対象者は住民税非課税世帯の方など約2700万人で総額2兆7千億円の予算が必要とのことです。

ただこの案だと「日本人の性格」という国の事情を考慮すると与党自民党には都合が悪いことになりそうです。

2700万人以外にも資金に困っている方は当然いるわけで支給されない世帯からの支持率は当然、落ちるでしょう。

高額所得世帯は子育てに関わる各種、補助金の対象外になっているなど所得が多いからと言って生活が楽なわけではありません。

米国はトランプ元大統領とバイデン大統領の政策の違いで国が二分されてしまいました。ユナイテッド・ステイツどころか州によって地域、都市によって米国は二分しています。詳しく分けると資産を持っている人とそうでない人との二分化です。

日本でも仮に次の給付金を一部世帯に限定すると税金を収めている現役層と非課税世帯・年金受給者層との間に決定的な亀裂が入る恐れがあります。まさに平等を求める日本人ならではの理由からです。

米国は巨額な財政政策が今月にも可決されそうです。そうした事情やアフターコロナの読みもあり長期金利は上昇気味。

日本も財務省の本音といえば前回のように平等な全世帯支給は論外であり、一部世帯への支給もできればうやむやにしたいはずです。

一部支給を実現して日本国内での国民の対立を招くような事態になるのなら全世帯支給か、それとも生活困窮者を含めて支給自体なしかの選択を迫られると思います。

もっとも、一部世帯に支給して与党の支持率が落ちようが、世の中が現役世代とその他でよりギスギスしたものになろうが、今年の衆議院総選挙では議席は減らすものの自公政権は変わらないでしょうから生活困窮者に絞って給付するという案で結局はまとまるのでしょう。

ただ日本人の気質、性格を考えると米国とは違った形で国民間にヒビが入りそうです。

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