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個人型確定拠出年金の勧め(13) [個人型401k]

確定拠出年金の運用対象は保険商品もありますが、ここでは主に投資信託に投資をするケースを見ていきます。

前回のエントリーで維持コストでは、SBI証券、スルガ銀行がコストパフォーマンスが高いと説明しましたが、もう一つ注意するコストがあります。

それは投資信託の「種類」と「信託報酬」です。

基本的に国内外の株式、債券に投資できるシンプルなインデックスファンドがあれば良いのですが、運営管理機関によっては残念な投資信託の品ぞろえをしているところも少なくありません。

国内外の株式、債券に投資できる低信託報酬のインデックスファンドを扱う運営管理機関、特にその信託報酬の低さが運営管理機関選択の条件にもなってくると思われます。

メガバンクから地方銀行まで、実に多くの運営管理機関が存在しますが、東京から離れたところにある金融機関ほど投資家にとって有利な商品を取り扱っているケースが多いように感じます。

その中で一番、信託報酬がお得な商品を扱っている運営管理機関を挙げるとすれば琉球銀行が挙げられます。インターネットで検索をすると実に多くの投資家が琉球銀行で個人型確定拠出年金を運用しています。

また前回、説明した維持コストの面でスルガ銀行も運営管理機関として人気が高いです。

ちなみに私はスルガ銀行で個人型確定拠出年金に加入し運用しています。

運用途中で他の運用管理機関に資産を移管することも可能ですが、安くない手数料がかかります。

また移管の際は保有の投資信託を全部、解約して現金化して、新しい運営管理機関に移るという手順を踏みますので数ヶ月、投資ができない空白期間が生まれます。

個人型確定拠出年金の運営管理機関選びは非常に重要です。先に挙げた琉球銀行、スルガ銀行、SBI証券以外にも情報を集め、自分が納得行く会社を選んで欲しいと思います。

個人型確定拠出年金の勧め(12) [個人型401k]

税額控除のメリットばかりが注目される個人型確定拠出年金ですが、デメリットを挙げるのならその運営維持コストが挙げられます。

個人型確定拠出年金の手数料は、国民年金基金連合会、運営管理機関、事務委託先金融機関(信託銀行)に対して掛かります。

まず、加入時に国民年金基金連合会に2700円を支払います。この額は初回の掛金から引かれます。国民年金基金連合会へは、後、毎月100円の事務手数料がかかります。(これも掛金から引かれます。)

事務委託先金融機関とは資産を管理している信託銀行のことを言い、ここへの管理手数料に毎月63円がかかります。(掛金から引かれます。)

最後に運営管理機関の手数料ですが、この手数料は運営管理機関(銀行、証券会社など)によって若干、料金が異なってきます。

多くの運営管理機関が毎月300円強の手数料を取りますが、SBI証券は個人管理資産が50万円以上ある場合は無料です。一番コストパフォーマンスが良いのはスルガ銀行です。

スルガ銀行は個人積立資産が50万円未満でも、積立を継続している間は、運営管理機関に支払う手数料は無料となっています。

運営管理機関を選ぶ際にはこうした運営維持コストの他に、取り扱い商品(投信など)のコスト(信託報酬など)にも注意を払う必要がありますが、最低金額の5千円を毎月拠出するのであれば、スルガ銀行が運営管理機関の有力な選択肢になると思います。

例としてメガバンクの三菱東京UFJ銀行ですと、初年度に9060円、翌年度から6360円の手数料が年間で掛かります。

スルガ銀行ですと、初年度に4656円、翌年度からは1956円の手数料がかかります。

この差は運営管理機関分の手数料を取っているか無料かの違いです。

運用資産がまだ少額の時で元本保証型の商品で運用している場合は、この手数料分、明らかに資産を減らすことになります。

しかし、何度も書きますが、所得控除で節税できた所得税、住民税の額を考慮すれば、こうした個人型確定拠出年金の運営維持コストも十分、ペイできる方が多いと思います。

個人型確定拠出年金の勧め(11) [個人型401k]

個人型確定拠出年金の掛金は所得控除の対象になると説明しましたが、手続きの流れについて書きます。

国民年金に加入している方は、日本年金機構から控除証明書が届いていると思いますが、個人型確定拠出年金も毎年11月初旬に国民年金基金連合会から小規模企業共済等掛金払込証明書のハガキが届きます。

個人型確定拠出年金の所得控除は「小規模企業共済等掛金控除」で行います。

自営業者、フリーランスの方は確定申告の際に確定申告書にこのハガキを添付することで所得控除の適用となります。

上乗せの企業年金のない会社員の方で個人型に加入している場合で自分の口座から拠出している方は、年末調整でお勤め先にこのハガキを提出するか、確定申告時に確定申告書に添付することになります。

個人型に加入の会社員で企業の口座から掛金を引き落とししている方は小規模企業共済等掛金払込証明書は届きませんので企業側の処理だけで済みます。

なお10月~12月に初めての掛金拠出が行われた場合は小規模企業共済等掛金払込証明書は翌年の1月下旬に発行されるとこのことです。

何度も書いていますが、確定拠出年金の所得控除のメリットは非常に大きいです。個人型は様々なコストがかかりますが、それを考慮しても非常に有利な利回りで運用可能です。

元本保証型の商品で運用した場合、個人型の維持コストにより積み立て資産が減少する恐れもありますが、実は所得控除により所得税と住民税の減額で十分、元を取っていることもあります。

個人型確定拠出年金の勧め(10) [個人型401k]

確定拠出年金は60歳になるまで引き出すことができません。

しかし、掛金拠出期間が短い場合などに、脱退一時金として引き出すことが可能なケースがあります。

個人型確定拠出年金では以下のケースに該当する場合は脱退一時金が支給されます。

・60歳未満であること。

・企業型確定拠出年金の加入者でないこと。

・個人型年金の加入資格がないこと。(専業主婦、公務員などになった場合)

・障害給付金の受給権者でないこと。

・加入期間が1ヶ月以上3年以下であること、または資産額が50万円以下であること。

・加入者としての資格を喪失してから2年を経過していないこと。

・企業型年金から脱退一時金の支給を受けていないこと。

掛金の拠出ができなくなり、脱退一時金も受け取られない場合は、運用指図者として資産の運用を継続することになりますが、運用指図者としての期間中も各種の手数料がかかり、投資パフォーマンスの足を引っ張るので注意が必要です。

個人型確定拠出年金の勧め(9) [個人型401k]

次に給付の種類について説明します。

給付の種類は老齢給付金、障害給付金、死亡一時金、脱退一時金に分けることができます。

老齢給付金は加入期間に応じて60歳から70歳までの間に給付を請求でき、5年以上20年以内の年金として受け取るか、一時金として受け取るかを選択できます。

尚、前回、説明したように年金だと公的年金控除、一時金だと退職所得控除が受けられます。

年金受給中に死亡した際には、残った個人別管理資産が遺族に死亡一時金として給付されます。

障害給付金は、国民年金法に規定する障害等級の1級、2級に該当する際に、給付を請求して受給できます。

老齢給付金と同様に5年以上20年以内の年金か一時金かを選べます。運営管理機関によっては年金の場合、5年か10年に限定しているケースもあります。

死亡一時金は、加入者、加入者であった者が途中で死亡した際に、遺族に個人別管理資産が支給されます。

次に脱退一時金について説明します。

個人型確定拠出年金の勧め(8) [個人型401k]

以下はSBI証券にて取引をした場合の流れです。

まず毎月26日に前月分の掛金を指定口座から引き落としします。(26日が休日の場合は翌営業日)

例えば2月26日に1月分の掛金が引き落としされます。その際に1月分の国民年金保険料を支払い、加入資格があるかの確認がされます。

26日に引き落としされた掛金はすぐに投資に回るわけではありません。

26日に掛金の引き落としがされた後、13営業日後に商品の購入指示が行われます。

更にWEBに反映されるのは購入した商品の受渡日の翌日になります。

海外の投資対象に投資する場合は、日本国内の投資対象の投資する場合より受渡日、WEB画面反映が遅れます。

大まかに言えば毎月20日頃には前月に引き落としされた前前月分の投資が終了します。

(例)3月20日頃には2月26日に引き落としされた1月分の投資が終了。




個人型確定拠出年金の勧め(7) [個人型401k]

個人型確定拠出年金の掛金は、自営業者の場合は、自分の指定した金融機関から毎月26日に引き落としされます。

引き落とし口座は自由に選べ、例えばA銀行、もしくはB証券を運営管理機関として選んでも、C銀行の口座から毎月の掛金を引き落としするという設定が可能です。

ただ、現時点ではインターネット専業銀行の多くは選ぶことができないので注意が必要です。使用しているメガバンクのメイン口座があれば、そこなら間違いないでしょう。

なお、個人型確定拠出年金の加入条件に国民年金保険料を支払っていることがありますが、仮に未納の月があった場合は、その月分の個人型確定拠出年金掛金は還付されます。ただ、安くない手数料が引かれますのでご注意を。

なお国民年金第2号被保険者(上乗せの企業年金のない会社員)が個人型確定拠出年金に加入している場合は、掛金は給与天引きされ、事業主が登録した口座から引き落としがされるのが原則です。

ただ、事情により事業主の口座から引き落としができない場合は、加入者個人の口座から引き落としすることが可能です。

・国民年金第1号被保険者:自分の選択した銀行口座

・国民年金第2号被保険者:事業主の口座が原則、例外で個人口座も指定可能。

26日に引き落としされた掛金がすぐに投資される訳ではありません。

次に引き落とし後の流れについて説明します。

(上記の日程はSBI証券での取引を参考にしています。)


個人型確定拠出年金の勧め(6) [個人型401k]

毎月の掛金が多ければ、その分、所得控除を多く受けられますが、確定拠出年金の拠出額はそれぞれの条件ごとに上限が決められています。

個人型確定拠出年金は、自営業者、フリーランスなどの国民年金第1号被保険者と上乗せの企業年金のない厚生年金加入者(国民年金第2号被保険者)が加入できますが、上限は以下の通りとなります。

国民年金第1号被保険者:68,000円(月)  国民年金第2号被保険者」23,000円(月)

掛金は個人型の場合は最低5,000円で千円単位で上限まで設定可能です。

ただ、国民年金第1号被保険者で国民年金基金や国民年金の付加保険料を支払っている方は、それらと合計して上限が68,000円(月)となります。

次に掛金の引き落とし方法について述べます。

個人型確定拠出年金の勧め(5) [個人型401k]

確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があります。

ここでは個人型の加入資格について説明します。

個人型確定拠出年金は国民年金加入者と上乗せの企業年金のない厚生年金加入者が加入できます。

具体的に言うと国民年金加入者とは毎月の国民年金を支払っている自営業、フリーランスなどの方をいいます。

ただ、国民年金加入者でも年金保険料免除、一部免除の方は加入できません。また、専業主婦の方は旦那が自営業なら年金の1号加入者ですので加入可能ですが、旦那が会社員の場合は年金の3号加入者となるので個人型確定拠出年金には加入できません。

個人型確定拠出年金というと自営業向けの仕組みと誤解されていますが、実は条件を満たす会社員も加入可能です。

会社に厚生年金基金や企業型確定拠出年金などの上乗せの企業年金がなく、厚生年金のみ加入している会社員ならば、個人型確定拠出年金に加入することができます。

実はこの対象に当てはまる会社員はかなりの数に登ります。しかし、その優遇税制とは裏腹に手続きの面倒さを嫌ったり、そもそも加入できること自体を知らない方が圧倒的に多いため、会社員による個人型改定拠出年金加入は大きく伸びていません。

前回述べた所得控除などの税制優遇を考えるといまいち知名度がないのは残念な気がします。

個人型確定拠出年金の勧め(4) [個人型401k]

確定拠出年金の持つ3段階の税制優遇の最後は、年金の受け取り時の優遇です。

確定拠出年金では、60歳以降、年金を受け取る事が可能ですが、毎年、年金として受け取る方法と一時金としてすべてを受け取る方法があります。

年金で受け取る場合は「公的年金控除」、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」の対象になります。

退職所得控除は掛金を拠出している期間が長いほど、控除額が上がります。

従って、少しでも早く確定拠出年金を始めて掛金を拠出していれば、退職所得控除の額が増加して、一時金として受け取る際の税制優遇が強化されます。

年金として受け取る際にも公的年金控除が適用された後の収入に課税されるので控除分、お得です。

以上のように掛金拠出時(所得控除)、運用時(運用益非課税)、年金受け取り時(公的年金控除、退職所得控除)と3段階で税制優遇を受けられるのが、確定拠出年金の大きなメリットです。

確定拠出年金は企業型と個人型に分かれますが、次は個人型を中心にその加入可能な人の条件について説明します。