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謙虚すぎる日本人気質と株式市場 [日常]

3月末決算企業の本決算発表が落ち着いてきました。

円安に伴い業績好調な企業もあれば内需関連は円安が悪い方向に働くなど明暗が分かれました。

今回、決算と決算後の株価の動きをたまたま見ていたのですが、感じたことを書きます。

大きく2つ。1つ目は日本人経営者は業績予想に保守的すぎるということ。今後の日米の金融政策次第で今の円安傾向が変わり円高に振れる可能性があるから保守的な業績予想になるのは日本人としてわかります。ただ、あまりに保守的すぎないかという印象です。

後で上方修正したのが格好良いという考えなのか、未達を恐れ責任回避のため保守的になっているのかなど理由はあると思います。

今期、最高益でも来期の業績予想が保守的すぎて株価が大きく下げた企業が散見されました。

2つ目は投資家は本当に決算の数字を見ているのかという疑問です。

好業績でも逆に減益でも株主への還元策を大きく行った銘柄は株価が上昇して行きました。

具体的には市場予想を上回る増配と自社株買いを発表した銘柄は決算の数字に関わらず株価が上昇していました。もはやどれだけ予想を超える自社株買いをするかだけが株価に影響を与える異常な光景が今回、見られたと思います。

ただ好業績なのに自社株買いの規模が予想外に低かったという銘柄は徐々に株価は回復して行くだろうと思います。少なくとも日本市場がまともだという条件付きですが。

最近はアクティビストと言われる方々が勢力を増していますが、これが株式市場では当たり前のことだと言えます。「物言う株主」という表現がおかしいのであって株主なら物を言うのが当然です。それが嫌ならMBOでもすれば良いのではないでしょうか。実際、そういう企業もありますし。

ただあまりにも株主の顔色を気にしすぎて自社株買い合戦になってしまった決算発表を見ていてどうもすっきりしない5月前半でした。

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卵の値段から見る本当にデフレを脱したのかの疑問 [日常]

植田日銀総裁は「デフレではなくインフレの状態にある」と発言していますが、政府としてはまだ「デフレ脱却宣言」を出していません。4つの経済指数をまだ満たしていないからです。

スーパーの広告をみたり実際に店舗に足を運んでいる方は確かにインフレが進行していることを実感すると思います。特に「米」の価格が一気に上がった気がします。

そのような中、不可思議な現象が「卵」です。鶏インフルエンザが落ち着き生産量も回復してきたこともあるのでしょうが、ここ最近、価格が落ち着いて来ました。

そんな中、とあるスーパーの広告で「1000円以上のお買い上げで卵1パック99円」という昔、よく見た宣伝をこのインフレ時代に久々に見ました。

流通の2024年問題など今後は商品価格は上昇していくのが目に見えているのに、商品の中にはデフレ時代を思い出せるような目玉商品が時々目につきます。

メーカーもしくはスーパーが赤字覚悟で客寄せのためにやっていると思うのですが、本当に日本はデフレから脱却できるのか少し心配になります。

光熱費の補助が徐々になくなり、そのうち、ガソリンへの補助金もなくなっていく方向でしょう。

その一方で食品スーパーマーケットや食品を扱うドラッグストアの新規開店がここ数年、急速に増えており赤字覚悟の価格競争を行っています。

購入先の選択肢が増えて雇用も増えるのでスーパーやドラッグストアの新規出店は消費者としては歓迎ですが、極度の価格競争がまだデフレマインドが国民から抜けきれていないことを現しています。

ドラッグストアは医薬品・日用品の利幅が大きいのでその分、食品価格を下げていると聞きます。それでは食品スーパーは価格だけでは勝負になりません。

実質賃金のマイナス状態がプラスに転換してくれればデフレマインドも完全に過去のものになるのかもしれませんが、政府が未だ「デフレ脱却宣言」を出せない理由が何となく最近わかります。本当に4指数が満たされれば「デフレ脱却宣言」を出すのでしょうか。

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アメリカは自己啓発本でできている【尾崎俊介著】 [書評]

アメリカ文学・文化を専門とする尾崎教授が「自己啓発本」について主に米国の歴史を通じて解説した本です。

自己啓発本というと胡散臭いと感じる方もいるでしょう。本書でも出てきますが、「引き寄せの法則」などはどうも科学的ではない。

著者が書いている通り、「自己啓発本の敵は自己啓発本」である。一部の胡散臭い自己啓発本のせいで、まともな自己啓発本までもが偏見を受けてしまっている。

著者によるとここまで自己啓発本が人気な国はアメリカと日本ぐらいなものだそうだ。米国の代表者は100ドル札のベンジャミン・フランクリン。日本では「学問のすゝめ」を書いた福沢諭吉になるのだろう。

なぜ米日で自己啓発本が人気があるかの背景はぜひ本書を読んでいただきたい。

本書では色々なタイプの自己啓発本の成り立ち、歴史を解説している。例えば、引き寄せ系の本、ポジティブ思考の本、お金持ちを目指す本、日めくり式の本、スポーツ界の自己啓発本など。学生時代から自己啓発本をよく読んできた私にとってはとても楽しめる本だった。

なお学生時代から自己啓発本をよく読んできた私に言わせれば、数ある自己啓発本で書いてあることを一言でまとめるとある言葉にたどり着く。

それは「やるか、やらないか」ということだ。結局、自己啓発本の言いたいことはそれに尽きると私は思う。

自己啓発本を好んで読む方は「アメリカは自己啓発でできている」は頷ける箇所がとても多い本である。GW中にオススメの本です。


アメリカは自己啓発本でできている

アメリカは自己啓発本でできている

  • 作者: 尾崎俊介
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2024/02/24
  • メディア: Kindle版



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