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日本経済を襲う二つの波(リチャード・クー著) [書評]

新聞では選挙の日程が一人歩きしていましたが、どうやら私の読み通りに選挙はだいぶ先になりそうな雰囲気です。

新内閣の閣僚インタビューで財務・金融担当の中川大臣が今後、財政政策に力を入れると発言していましたが、財政政策の重要性はリチャード・クー氏も本書で述べています。麻生総理とクー氏は親しい間柄らしいので今後の経済政策でクー氏の主張が多く採用されるかもしれません。

野村総合研究所出身の植草氏もリチャード・クー氏も正論を主張したために、マスコミから姿を消すことになりました。真実を語る評論家はマスコミから抹殺されるのが日本の特徴です。

リチャード・クー氏が以前から主張しているバランスシート不況では、金融政策が余り効果を持ちません。いくら金利を下げても資金需要がなく企業は稼いだキャッシュを借金の返済に回してしまいます。資金需要があっても大手企業は銀行を頼らず直接金融で資金を調達するようになりました。

日本企業は必死に稼いだキャッシュフローを負債の返済に回してきました。今のアメリカの様子を見るとかつて日本が経験した出来事を見ているようです。地価が下げ止まるまで金融パニックは収まりません。アメリカ発のこの問題は欧州に飛び火し日本経済にも大きな影響を与えることでしょう。

かつて財政政策は乗数効果が低く赤字を積み重ねるだけだと批判されました。また、これ以上の財政出動は金利の上昇を招くとの懸念もあります。しかし、金融政策がバランスシート不況で機能しない以上、財政出動をした方が何もしないよりかはましだと思います。

話は戻りますが選挙日程を勝手に報道する新聞初めマスコミの言うことは、余り当てにならないと改めて感じました。

日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方

日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方

  • 作者: リチャード・クー
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/07/03
  • メディア: ハードカバー



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