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限界国家【毛受敏浩著】 [書評]

昨日のブログで紹介した「未来の年表」は少子高齢化が進む今後の日本社会がどうなるかを明らかにした書ですが、この「限界国家」は更に踏み込み、肯定側の視点から移民受け入れを提言しています。

現在、日本で暮らす外国人数は総人口の1.9%である238万人、東京に限れば4.4%にもなります。新宿区に至っては12%が外国人です。

外国人は都会だけでなく農村地区にも幅広く増加しています。

しかし、移民が増えることに対する心配事は今のところ、日本ではそう起きていません。ゴミの出し方において近所で揉める程度のことです。

気がかりなのは「技能実習生制度」です。まるで現在の人身売買のような制度が現代の日本で続いています。

夢を持って技能実習で日本に来た多くの外国人が、帰国時には日本が好きではなくなるようです。中には途中で消息不明になる外国人も出ているようです。

将来、「いざとなった時に移民を受け入れる体制を作れば良いだろう」という考えだと世界から取り残されます。

東大や早稲田大に中国人留学生が増加していますが、中国でもトップクラスは日本の大学には目もくれず英米の大学に進学します。

将来、日本が積極的に移民を受け入れようとしても本当に欲しい層の外国人は他国を選び、結局、日本にやって来るのは、それこそ将来、問題を起こしかねない層の外国人が増える可能性があります。

日本はアニメなどを通して世界の若者に人気があると思っているのは日本人の思い上がりで、いざ、高スキルの外国人が移住先に日本を選ぶかというとそれは別問題です。

仮に高スキルの外国人が日本を選んでくれても、その子供を教育する教育インフラも整っていないし、家族が孤立感を深め母国に帰ってしまうのではないでしょうか。

不安があるから移民は受け入れないという方針はわかりますが、将来、移民の奪い合いが起きたときには日本は選ばれない国になるというリスクは享受すべきだと感じました。


限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択 (朝日新書)

限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択 (朝日新書)

  • 作者: 毛受敏浩
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2017/06/13
  • メディア: 新書



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