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日本銀行我が国に迫る危機【河村小百合著】 [書評]

大型連休中に随分と気分が落ち込む本を読んでしまった。しかし、これが今の日本の現実である。

植田日銀体制になって先日の日銀決定会合に注目が集まったが、結局、植田日銀は金融政策現状維持で1年以上かけて今までの検証を行うという結果で終わった。

もっとも1年以上、何も政策を動かさないということではなく状況に応じて金融政策の変更もあり得るようだが、本書にあるように日本銀行に打つ手がないのが実情ではないのか。

本書には戦後の新円切替や財産税についての記述もある。現代のような情報化社会では必ず情報が事前に漏れるため実行は難しい、憲法上の財産権の問題があるなど制約は大きい。

しかし、渋沢栄一さんの紙幣が登場する頃に金利が動き社会が多少混乱する可能性がないとも言い切れない。

新円切替や財産税は仮にないとして、結局はインフレと財政削減でなんとかしなくてはならないはずだ。

岸田総理は消費税は今後10年手を付けないと大見を得を切ってしまった。社会保障費の増額で帳尻を合わせようとするなら多くの自民党票が維新と国民民主に流れるだろう。

日銀の関係者始め金融政策に関わっている人たちから見れば「金融政策だけで対処するのは限界」という意見なんだと思う。

3本の矢の3本目がまったく手つかずで金融緩和頼みだったつけが回ってくる。3本目の矢を実行するのは政治だ。しかしこれまで以上に国民に厳しい政策を取るという決断を現在の政治家は取れず先送りしている。

広島サミット後、夏にかけて解散総選挙があるとの見方もある。サミットが無事終われば自民党の支持率も上昇して維新や国民民主等の野党が頑張っても大した変化は起きないかもしれない。

結局、市場が流れを変える。抑え込んだ金利が急激に暴れだした時にようやく日本の改革が始まるのだと思う。

話は変わるが仮に首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が起きたら日本は終わりだと思う。復興資金を手当できないと思う。

天災が起きるか、金利が動くか。どっちにしろいつかは大混乱が来るのだから今のうちに日々、充実した時間を過ごすのが賢い選択なのかもしれない。


日本銀行 我が国に迫る危機 (講談社現代新書)

日本銀行 我が国に迫る危機 (講談社現代新書)

  • 作者: 河村小百合
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/03/15
  • メディア: Kindle版



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