FX税制が統一か？

現在、FXの税制は取引体系によって2種類に分かれています。いわゆる店頭取引のFXだと総合課税の対象となり収入によっては最高50％を税金で持って行かれることになります。一方、くりっく365や大証FXといった取引所FXは、申告分離課税で一律20％となっています。つまり、多額のFX売買益のある投資家は、くりっく365や大証FXの方が遥かにお得になります。

この2種類の税制を統一しようとする動きが少しずつ広まっているようです。国会の質疑応答によると最短で法律改正に成功すれば来年初頭から2種類の税制が統一されて、店頭取引も20％の申告分離課税で済むようになる可能性もあるということです。ただ、それを実現させるためにはFX業者が一致団結して積極的に政治家に働きかける必要があると言えます。現在ではFX業者によるそうしたロビー活動は行われておらず、そのため2種類の税制が放置されているという見方もできます。

店頭FXを申告分離課税にし一律20％にするなら、同時にCFDも申告分離課税の20％にするべきです。現在の証券税制はいずれ売買益の10％課税が20％に戻ると見られていますが、この機会に投資による税金を申告分離課税の20％にすべて統一するといったことを実現して金融税制をすっきりさせて欲しいと思います。

ただ店頭FXの税制改善にしても立ちはだかるのが、いわゆる「金持ち優遇批判」です。リスクを取って利益を出している以上、文句を言われる筋合いはないと思いますが、世論を気にしすぎる民主党は店頭FXの税制改善に反対するかもしれません。当然、CFDの税制改善も遠のきます。

複雑すぎる金融税制が投資の意欲を失わせている側面もあると思います。政府与党はもっとシンプルで投資家目線に立った金融税制を確立して、投資熱を生み出して欲しいと思います。

大証FXではじめるFX投資

• 作者: 秋山 謙一郎
• 出版社/メーカー: 秀和システム
• 発売日: 2009/07
• メディア: 単行本