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買いは家まで売りは命まで [FP]

米国ゲームストップ株の乱高下が話題になっています。

米国のSNSであるレディットを見てロビンフッドなどのスマホ証券や他のネット証券で取引している投資家(今回は投機家)が数百万単位でいるようです。

ただ銘柄を買うだけでなく米国は個別株のオプション取引も可能なので、無くなっても良いような資金でコールオプションを購入している人もいるとのことです。

今回の件で「ヘッジファンド対個人投資家(投機家)」の争いとメディアは書いていますが、実情は色々と複雑なようです。

そもそもロビンフッド社はなぜ売買手数料を無料にできるのか?日本のネット証券も約定代金50万円や100万円までの売買手数料を無料にしているケースもありますが、日本のネット証券の場合は完全に赤字覚悟です。損して元を取るという戦略と他社との競争で無料枠が拡大しています。

一方、ロビンフッドのビジネスモデルは投資家(投機家)から手数料は取りませんが、代わりに売買の鞘を抜いて儲けにしています。

そうなるとロビンフッド社を利用している投機家はあくまでユーザーであり、真の顧客は鞘を抜いているヘッジファンドやマーケットメイカーだったりするわけです。

証券会社の取引が増えるほど決済機関に預ける預託金も急増するのでロビンフッドは一時的に取引を停止する必要が出たようです。その後、資金調達の発表がありましたが、今の勢いでは再び取引停止になる可能性もあります。

そうした中、「取引できないのは不公平」だという声も上がり始め、他の証券会社経由の売買も急増し証券会社のサイトが落ちるケースも出ました。

共和党、民主党の両側から今回の騒動について意見が出ていて、今年、上手く行けば上場する予定と言われていたロビンフッド社が今後、どうなるのか注目に値します。

日本のネット証券でも米国株を扱える会社が数社ありますが、ゲームストップ株の取引に関しては停止しているようです。

無くなっても良い資金でコールオプションを購入する投機家が急増するということは相場の世界における神風特攻隊のようなものでショートポジションを持っている方は恐怖を感じると思います。

ただ、いずれこんな祭りも終わりを迎えると思います。相場の格言で「買いは家まで売りは命まで」という言葉があります。ショートポジションの損失は無限大であることから出来た格言です。

今回はショートポジションを持っていたヘッジファンドが致命傷を受けましたが、最終的にお金を失うのはこの祭りに参加した個人投機家だと思います。

まだ無くなっても良いという資金で祭りに参加している人、冷静に物事を見ながら祭りを先導している人はまだしも、金融リテラシーもなく一発逆転を狙ってこの祭りに参加している個人投機家には痛いしっぺ返しが来ると思います。

金融大国アメリカと言っても一部の投資家(投機家)のリテラシーはこの程度です。一方で低コストのインデックスファンドに定期積立を行い質素な生活を心がけているFIREと呼ばれる言葉を生んだのも同じアメリカです。

投資家と投機家が混在する米国市場の多様性は羨ましい面もあります。それだけ流動性が高い市場がある訳ですから。

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