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2040年の未来予測【成毛眞著】 [書評]

ここ数年、どんどん時代が進むスピードが早まっているような感覚があります。

そのようなテクノロジーの加速する進展に付いていくのがきつくなった人、将来の日本の医療年金制度などへの不安から将来を悲観的に感じている人が増えていると思います。

本書は大きく4パートから構成されています。「テクノロジーの将来」「将来の年金、税金、医療費」「将来の衣食住」「将来の天災リスク」についてです。

将来に対して何となく不安を感じている人は、自分が何に対して不安を感じているのか本書を読むことで明確になると思います。

目をつぶりたい将来的に起こり得る出来事が次々と本書に出てきますから、正直、読んでいて気分が沈む人もいるかもしれません。しかし、これが将来起こり得る現実です。

日本マイクロソフトの元社長である著者はテクノロジーの進展が将来の困難を解決してくれることに大きな期待を持っています。

確かにテクノロジーの急速に進む進化は今ある問題を一気に解決してしまう可能性を秘めています。

ただ私が気になったのは最終章の天災リスクについてです。

テクノロジーが地震予知を可能にする時代が来るのでしょうか。仮にその時代が来る前に残念ながら先に首都直下型地震、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高いです。

首都直下型地震、南海トラフ巨大地震、それに加え仮に富士山噴火でも起きようものなら日本経済は壊滅的な打撃を受けるはずです。

その結果、待っているのは国家破綻を避け、かつ、復興に向けての大増税です。安倍前総理は前回の消費税引き上げの際に「今後10年は再引き上げの必要はない」との趣旨の発言をしましたが、仮に上記にあげた天災が起きたら消費税含めて大増税はせざるを得ないはずです。

テクノロジーの進展とともに世界はどんどん先に進むでしょうが、日本は天災リスクというアキレス腱を持っています。

もっとも私は上記の天災が起きても日本は10年単位で見ると立ち直ると楽観的に考えているのですが考えが甘いでしょうか。国家破綻ぎりぎりまで行くかもしれませんが日本という国は残るはずです。天災で多くの犠牲者が出るのは残念なことであり私がその一人になる可能性もゼロではないのですが、日本が天災後の困難を乗り越えて行くことを願っています。

上記の天災は既に来る来ないの話ではなく「いつ来るか」という確実に起きる段階に来ています。コロナで右往左往した政府がその時が来たらどうなるのか少し心配な面もあります。


2040年の未来予測

2040年の未来予測

  • 作者: 成毛 眞
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2021/01/01
  • メディア: Kindle版



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